Alive Buried Dogs
なんでわざわざ生まれ落ちたのに死ななくちゃいけないのだろう、と思ったことはないでしょうか。私はごくごく幼い時分から割と死と近くで生きてきたようです。
筋の通らない話だとは思いませんか。誰しも自分自身が未来のいつの日か息を引き取る運命にありながら忙しい日々を送ったり、愛する者のその生命の断たれるのを見やって悲哀に暮れたり、はるか遠く誰にも知られず忘れられてしまった憂鬱症の若者がある日自殺すること。
自殺というテーマに音楽シーンから触れてみたいのですが、深くまではまたの機会に。ジョイ・ディヴィジョンのボーカル、イアン・カーティスの遺作として知られる名曲をここでは紹介します。またアルバム『Closer』も聴いてみてほしい!!
物語には結末が必要だ、文末にはピリオドが必要だ。それは確かにそうです。しかし私たち人間は確かに生きている、殴り合いの喧嘩をすれば真っ赤な鮮血が垂れる、朝陽が山の端からのぼるのを見て仕事に過ごし夕空に太陽が燃えるのを見て眠る。私たちは物語の中に閉じ込められた一登場人物なのでしょうか。
まぁこんなことくらい誰しも少しは考えたこともあるだろうとは思います。これほど憂鬱になるくらい思索に耽って自殺志願までし出すのは私くらいなものかもしれません。周りの人々に言わせてみれば「ネガティブ思考だ」といったところでしょうか。
アルジェリア生れのフランス文学・哲学者・劇作家のアルベール・カミュは自動車事故によって夭折してしまった思想家ですが、草創期に出版したエッセイ『シーシュポスの神話』の中でこの人生というものの持つ不条理性について語っています。
上で長々と語ったことをカミュは「不条理」と名付けました。カミュがフランツ・カフカと並んで不条理文学者としての地位を築き上げた大作は『ペスト』です。
そういえばこのコロナ禍のなかで、カミュの『ペスト』の売り上げが伸びたそうです。私もこの機会にカミュの作品群に触れることにしました。まず家の書架にあった『異邦人』から読み進めています。皆さんも是非おうち時間の過ごし方の一つとして読書に親しんでみてはいかがでしょうか。
『異邦人』を読んでいるところなのですが、最初に『シーシュポスの神話』をなんとなく手にとってみてよかったと思っています。その内容には衝撃と感銘を受けました。これから読む人のためにこの本の醍醐味には触れませんが、この作品はまだ若かりし頃のカミュの作品ですが、哲学者としての才は大いに見受けられ、作中で「不条理な人間」の生き方として述べている運命が現実のカミュに降り注いだと思うと、胸を打つ感があります。
フォークの名手でノーベル文学賞受賞まで果たしたボブ・ディランに死生観を問うてみたいところです。この曲を返答と捉えるならばあまりにも詩的で素晴らしい名曲です。多くの後世のミュージシャンにカバーされています。
今日は「The New Barbarians」のライヴ盤を聴いていて、ロン・ウッドの名盤から、人生の困難というものを歌ったのかなと個人的に感じた曲を紹介します。
To get something good
You gotta want really bad.
To get something good
You gotta want really bad.
「何か素敵なものを得るためには
とてもじゃないが見当違いのものを求めなくちゃならない」
こんな風に訳してみました。
こちらはタイトルの原案……。